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ふとファイルを漁っていたら書きかけてた小説をみっけたので続きを書いてみた!
霧生ちゃんが霊属になってからしばらく経ってのお話
さっちんと霧生ちゃんしか出ていないと言うね!


※血とかの描写があるので、苦手な方はご注意を!

鼻をくすぐる、鉄の臭い
両手や頬に感じる、ねっとりとした熱

「ひ、・・・ぁ・・・」
「・・・」

鈍く光る刃を振り上げれば、目の前の男はこれでもかと眼を見開いた

「た、頼む!見逃してくれ!」
「・・・」
「命だけ、は・・・」

男が全てを言う前に、その身体を竹を割るように真っ二つに斬り捨てた
鮮血が噴水のように噴き出て、辺りを更に赤く染めていく

「・・・命が惜しいなら、俺に刃を向けんじゃねぇ」

俺は吐き棄てるようにそう言って、刃についた血を落とす為に軽く刀を振った
血に染まる大地、鉄の臭いしかしない空気
さっきまで動いていた人だったモノ
この一帯を支配する、死の気配

「終いだな・・・」

長い年月が経とうとも、様々な世界に行こうとも
俺の刀は血で染まり、俺の周りは赤く染まる
見た事もねぇ化け物や、人を食らう植物やら
本能の赴くままに、斬り捨てた
一番多く斬ったのは、殺気を宿した人間
斬っても斬っても、次から次へと出てきやがる
一昔前の俺には、反吐が出るくらい胸糞悪かった
別に殺しが好きな訳じゃねぇからな
この手に残る、何かを斬る感触
この身に残る、己のソレとは違う熱
それら全部がうざったくて仕方が無かった
・・・一昔前までは、な

「あー・・・もう、終いか・・・」

辺りを見回しても、もう動いているのは俺1人
赤に塗れた死体、動くことのない肉の塊
本来なら、俺もこうなる筈だった

「また派手に散らかして・・・」

不意に聞こえた、聞き覚えのある声
振り返れば、見慣れた笑顔の男がそこにいた
「しょうがねぇだろ。
 アンタと違って、死体の始末は俺にゃあ出来ねぇんだからな」

そう言うと、目の前の男はため息を吐いて片手を持ち上げた
パチンっと乾いた音がしたと思うと、いきなり俺の周りに火の手が上がった

「オイオイ、俺まで燃やす気かよ」
「・・・私がそんなヘマをするとでも?」

それだけ言うと、男は「さ、行きますよ」と俺に背を向けた

「へーへー・・・」

俺は男の後を追うように歩き出したが、地面を蹴って一気に距離を詰めた
抜き身の刀を、男目掛けて振り下ろす
刀の切っ先が、男の肩に触れるその刹那
金属のぶつかり合う音が木霊した

「・・・ハッ・・・さすがだな、旦那」
「殺気剥き出しの相手に斬られる程、私は落ちぶれてはいませんよ」

会話を交わす間も、互いに一歩も引かぬこの状況
ギリギリと、鍔迫り合いが続いていた

「落ちぶれてねぇ?あぁそーかい・・・なら、何故アンタは傷を負う」
「・・私とて人間です、傷の1つや2つ」
「そうじゃねぇ」

男の言葉を遮ると同時に、刀を握る手に力を入れた
手首を捻り、相手の刃を己から逸らして弾いた
相手が俺だったから少々気を抜いていたのか、目の前の男に一瞬だけ隙が出来た
例えどんな屈強な人間でも、隙さえありゃあこっちのもんだ
俺はすかさず刀を持ち替え、そのまま切っ先を男の喉元に突きつけた

「・・・死なねぇ身体を持ちながら、何故アンタは死を求める」

この言葉に、目の前の男は口を閉ざしたまま動かなかった

「・・・永遠の生ってのに疲れたか?
 それとも、他者の死を看取るのが」
「霧生」

俺の言葉を遮って、男が名を呼んだ
表情は無く、両の瞳にさえも・・・感情を感じられない
一瞬、ゾクリと何かを感じた
今まで味わった事のない、感覚だ

「・・・君は、あのままあの世界で朽ち果てたかったのですか?」

目の前の男は、淡々とそう言った
男の言う、あの世界
そう、俺の死に場所となるはずだった・・・あの・・・

「・・・ああ・・・そうかもしれねぇな・・・
 あの時、やっと楽になれると思ってたのによぉ・・・」

ニヤリと笑みを浮かべ、俺は刀を退いた
男はさっきの表情とは打って変わって、微笑を浮かべている

「それはそれは・・・申し訳ありませんでしたね」
「ちっともそう思ってねぇだろ」
「まさか、少しばかりは思ってますよ」
「少しかよ」
「クス・・・そろそろ帰りますよ?」
「・・・ああ」

男が、再び俺に背を向けて歩き出した
俺もその後に続くように、一歩踏み出した

「・・・霧生」
「あ?・・・何だ」
「時が来たら、私が君を殺してあげましょうか」

俺の方を向かず、いつもの調子で男はそう言った
どこか余裕のあるその台詞に、俺は鼻で笑って

「寧ろ、俺がアンタを殺してやるよ。
 そうすりゃ俺は自由だからな」

そう言うと、クスクス笑う声がした

「それはそれは・・・では、期待しないで待ってます」
「・・・けっ・・・俺はアンタのその余裕綽々な所がいけすかねぇぜ・・・」

悪態を吐いても、男は特に気にも留めていなかった
男がさっき言った言葉の真意は定かじゃねぇが
俺の場合は、全て嘘偽りはねぇ
いつか、俺のこの手で奴を・・・

「・・・まぁいつになるかわからねぇけど・・・」
「霧生、急ぎますよ」
「へいへい・・・」

急かす言葉に促され、俺はまだ血生臭さの残るその地を後にした
 

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