忍者ブログ
小説などのネタ帳
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

調子に乗ってPart-2(笑)
今回はちゃんと男女(ぇ)

1.【アイのコトバ】 2.【一定距離感覚】

片方だけに喋らせるってのもアリだな、うん


【アイのコトバ】

「好きだ」

面と向かって言われたその言葉に、私は特に何も感じなかった
あぁ・・・そういえばまだ本を読んでる最中だったと、視界を再び自分の両手へと落とす
両手で開いた活字の羅列が書かれた紙の束に目を通しながら
「・・・で?」とさっきの言葉の続きを促すと、決まって目の前の男は不貞腐れる

「何だよ何だよ・・・気持ちを込めて好きって言ってるのに」

ぶーぶーとそう言いながら、男がワザワザ本を読んでいる私の背後に移動して
そのまま私の背に背中を寄りかからせるのも、いつもの事
気に入らない事があると、男は決まって私の背中に背中を寄りかからせる

「な~ぁ、何読んでんだ?」

背中で私の背を押しながら、男は興味深げに首だけを私の方に向けてきた
「君が興味を示さない活字の羅列」と言うと・・・また不貞腐れる
この男は何というか・・・子供なのだ
誰かに構って欲しくてたまらない、ガタイはでかい小さな子供

「・・・なぁ、       」

しばらく黙っていたかと思えば、唐突に発せられた男の言葉
好きだ好きだと言ってた男から発せられた、初めて重みを感じたコトバ




『愛してる』



私の顔を茹でた蛸のように火照させるには、十分過ぎる一言だった










【一定距離感覚】

夕闇が辺りを支配する頃合
ガキがうろつくこの広場も、今は男女の待ち合わせの場へと姿を変えている
周りを見渡せば、恋人を待っているであろう男女の姿
どこもかしこも、人目を憚らずイチャイチャと・・・はっきり言って気分が悪い
・・・かく言う俺も、女を待つ男の1人ではあるのだが

「お、お待たせしましたっ」

広場に来て数分後、待ち人がやってきた
相変わらず身体中を強張らせて、緊張しているのが目に見える
いつまで経っても、変わらない
俺が「行くぞ」と一声かけて先を行けば、まるで親鳥を追う小鳥のように小走りでついてくる女
手を繋いでやればいいだろうが・・・この女、とにかくガードが硬いのだ
これでも一応、付き合い始めて月日はかなり経っている
けれどこの女、手を握るという行為だけでもビクついて・・・
・・・こんな所も、相変わらずというかなんというか

「あ、あの・・・」

その時、女の方から差し出された・・・華奢な手
顔の方へと目を向ければ、顔面をこれでもかと赤く染めて・・・俯いている
あぁ、ホントにコイツは・・・いつまで経っても変わりゃしねぇ
「・・・はぐれるなよ」と、その手を優しく、そしてしっかり握り締めた

「・・・はい」

顔を上げた女の顔は、とても嬉しそうに微笑んでいた
見ているこっちが、幸せだと感じられるくらいに
いつまでも変わらない、この一定の距離
時折じれったくはなるが、時折ひどく・・・愛おしく感じる
 

拍手[1回]

PR
Comment
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[96]  [95]  [94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[05/15 backlink service]
[02/01 影ノ虚]
[01/14 Nigh-t-rA]
[01/10 影ノ虚]
[01/10 影ノ虚]
プロフィール
HN:
影ノ虚
性別:
非公開
カウンター
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
忍者アナライズ
アクセス解析
忍者ブログ [PR]