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小説などのネタ帳
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千崎さんの裏切り小説に触発されて書いたのだが、相手はどうするかで悩んだ
証君と晴太君で迷って、戦闘スタイルとかの理由で晴太君借りました
証君との絡みで、薬ネタがあるんだが・・・あれが中々上手く形にならないというorz
以下、追記に放り込む、もはや自己満足、うん、しゃあない・・・!!!


すみません、コメ返は明日必ず・・・;!!!



――――ちゃぷ・・ちゃぷ・・・

足を動かす度に聞こえる、水音
それはねっとりとした粘液のように、私の鼓膜を振るわせた
心なしか、足取りが重い
そういえば、さっきからやけに髪がばらつく
いつもは結んでいるのに、今は何故か流した状態のようだ
いつのまにか、髪止めが外れてしまったのだろうか
ふと、足元を見れば・・・暗い赤
周りを見れば、広がる赤の景色
その赤の景色に混じって、見慣れた顔や服が目に付いた

「ぁ・・・」

どれもこれも、私が愛してやまない人達じゃないか
何故、彼等は・・・暗い赤へと身を浸しているの?
何故、私以外は全員・・眠ったように倒れているの?
何故・・・私1人だけ、立ったまま彼らを眺めているの?

「な・・・ゃ・・」

言い知れない恐怖に、思わず両手で顔を覆った
その刹那、肌に感じる違和感
恐る恐る手を離し、両手を見た
私の両手には、べっとりと赤がついていた
真っ赤な真っ赤な・・・赤い血が

『クスクス・・・アハハ・・もウこれで、苦シまずニ済む・・』

耳元で囁かれる、歪な声
振り返っても、誰もいない

『あァ・・なんて、なんて清々しイ気分なンだ・・』

それでも、耳元では歪な声が聞こえた
この声の主のせいで、こんな事になってしまったのだろうか
・・その時、私は気がついた

『クスッ・・フフフ・・・ぜぇンぶ、ゼぇんぶ・・消えテしまエ』

この声は・・・ワ タ シ ノ コ エ ダ ト











「っ・・・・・・!!!」

思わず目を見開くと、木目の天井が目に入った
身体中が汗ばんでいて、呼吸が速い
首だけを動かして辺りを見れば、そこは宿の部屋だった

(・・夢、か・・・・)

どうやら私は、凄く嫌な悪夢でも見ていたようだ
夢の内容は・・・微妙に覚えていない
ただ、恐ろしいような・・不安なような・・・そんな感覚だけは、何故か心に満ちていた
とりあえず、落ち着こう
身体を起こして、私は思わず額に手をやった
その時、額から離した手が・・・一瞬だけだが、血に塗れたように真っ赤に見えた
声を上げてしまいそうになりながらも、私はとにかく落ち着くように深呼吸を繰り返した

(・・今日は1人部屋で助かった・・・・)

思い出せぬ悪夢のせいで、ぐっすり眠っていた同室の仲間に迷惑をかけるのは気が引けるから

「・・・少し、頭冷やそ・・」

私は静かに部屋を出て、そして宿の外へと向かった
昼間は賑やかだった町並みも、今やシン・・と静まり返っている
行き交う人の群れもなく、光もない
そんな町を照らすのは、夜空に光り輝く月だ
青白く淡い光が、夜の闇と調和してとても美しく町を照らしている
あぁ・・・こんな夜は、散歩をするに限る
一歩一歩宛もなく歩いていくにつれ、次第に心も身体も落ち着きを取り戻していった
そしてふと気がつくと、私は町並みから少し離れた橋の上に立っていた
この橋を渡ってしばらく歩けば、そこはもう魔物達が彷徨う危険な世界

(・・・少し、遠出をしすぎたか・・)

引き返そうかと思ったが、川を流れる水音と辺りを包む静寂に・・・私は宿へ戻る足を止めた
そして橋の縁へと近づいて、そこから見える景色をジィっと眺めていた

「こんな時間に散歩か?」

不意に聞こえた声に、私はビクリと肩を震わせた
一瞬、誰かと思ったけれど・・・よくよく考えると、その声は見知った仲間の声で

「・・少し、夜風に当たりたくなりまして」

ゆっくり振り返ってみれば、そこにいたのはやっぱり彼だった

「少しって割には、こんな所まで来てるけど?」
「ハハ・・・静寂と月光のコントラストがあまりに心地よくて・・
 つい、こんな所まで来てしまいました」

そう言うと、晴太君も「確かにそうかもなぁ」と、私の隣へとやってきた

「昼間はとても賑やかだったあの町とは思えないくらい、静かだな」
「ええ・・私は、この静寂がとても心地よく感じます」
「ハハハ、影之は人混みが苦手だもんなぁ」
「なっ、別に苦手じゃないですよ;!」

「けど得意でもないだろ?」と、晴太君は彼特有の笑みを浮かべてそう言った
この言葉に、私は言い返す言葉がなくて・・・代わりに苦笑を浮かべるしか出来なかった
それから彼との会話を何度か交わして、互いにこのゆっくりと流れる時間を堪能した
私にとって、とても・・・とても心地良い時間だった

「たまにはこんな風に夜の散歩も乙なもんだな」
「そうですねぇ、静かで心が落ち着きます」
「またしたいな、真夜中の散歩!」
「えぇ、今度はみんな一緒に」
「うんうん!今度もこんな月の綺麗な日がいいな!」
「晴太君;真夜中;あんまり大声出しちゃ;」
「あ、いけね;」
「・・・ホント、またこんな風に散歩を楽しみたいですね」
「よし!じゃあまたこんな風に月の綺麗な日に散歩しよう!」

そう言って、彼は小指を立てた手を差し出した
私はきょとんとして彼を見れば、彼はニンマリと笑っている

(あぁ、そう言うことか)

何となく彼の言いたい事が分かり、私は彼の小指に自分の小指を絡ませた

「指きりげんまん嘘ついたら拳骨一発」
「え;そこは針千本飲ますじゃ;?」
「針千本は俺が無理、拳骨なら平気だろ、影之だし」
「寧ろ俺の方が不利でしょソレ」

そんなやり取りに、お互い思わず噴出して笑ってしまった
あぁ、なんて・・なんて愛おしい時間だろうか

「影之、約束だからな?」

あぁ・・なんて

「・・・えぇ、約束です」

なんて・・愛おしく、儚い時間だろうか













「・・約、束・・・」

ふと気がつけば、赤い・・赤い景色が広がっている
この景色を、私は前にも見たような気がした
けれど、前の景色とは少し違っている

「影、之・・・お前」

私の足元の赤に塗れた仲間と、恨めしそうに私を見つめる彼がいた

「・・クスクス・・・アハハ・・もうこれで、苦しまずに済む・・」

どこかで、聞いた事のある言葉だ
・・・そう・・夢だ、夢の中で聞いた言葉だ
ではこれは、夢?
私はまた、夢を見ているのか?

「ちく、しょ・・・よ、くも・・・よくも・・・!!俺達を、騙したな・・・!!!」

彼の怒りと憎しみが混ざった叫びが、私の鼓膜を揺さぶった
あぁ、なんて生々しい夢なんだ

「さぁ・・騙した覚えは、ないんだけどなぁ・・・・・・まぁいいや、今はとても清々しい気分なんだ」
「っ・・・影之ぉおぉぉぉぉぉ!!!!」

赤に塗れ、その瞳に憎悪を宿した彼の拳が、私へと向かって来た
特に避ける事もせず、私はそのまま彼の拳を受けた
踏ん張りが利かず、そのまま吹っ飛ぶ私の身体
口の中が、鉄の味で満たされていく
ゆっくり身体を起こせば、息も絶え絶えに立ちすくんでる彼の姿が見えた
どうやら、立っているのもやっとのようだ
私は起き上がり、ゆっくり彼へと近寄って

「約束破って、ごめんね?」

ポタリと、何かが頬を伝って落ちた
あぁ、早く・・・夢なら覚めてくれないか

「・・・バイバイ、晴太君」

私がこれ以上、大切な仲間を手にかけてしまう・・・その前に


 

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拍手にコメントありがとうございました!!!
大変遅くなってしまってすみません;

・ハレさん・
実は書いてる途中は誰にでも出来るように書いてたんですが、途中から何故か晴太君の口調(?)になっていましてそれで悩みました(ぇぇ)
裏切り無双というか、もう影之の裏切りが私の中で二次創作ではなくガチ設定になっていっている恐怖(笑)
影之に何があったのか・・・それは私のみがしる・・←
最初は狂気系を目指していたのですがいい感じに切ないのも混ざってあんな感じになってしまいました、しかし悔しさと切なさが込み上げてくださったのであれば物書き冥利に尽きます・・!!!
おそらく、もう止まらないから・・
「嘘ついたら拳骨一発」
この約束だけは、守りたかったんだと思います
凄く微笑ましい場面ですらクラッシュさせるのは私の得意技(?)ですぜ御姉さん(オイ)
コメントありがとうございました!!!
影ノ虚 2010/09/25(Sat)16:41:35 編集
影ノ虚 //():
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